東京藝術大学大学美術館で開催中の「草原の王朝 契丹 ―美しき3人のプリンセス―」展に行ってきた。
こんにちは、taku-workです。
もうね、人混みにもまれすぎると、モンゴルの大草原とかでぼーっとしたいですね。
ということで、今回は東京藝術大学大学美術館で開催中の「草原の王朝 契丹 ―美しき3人のプリンセス―」展のおはなし。
10世紀初頭から200年のあいだ内モンゴルを治めていた契丹王朝の文化を垣間みることができます。これ、おすすめ。
「草原の王朝 契丹 ―美しき3人のプリンセス―」
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2012/kittan/kittan_ja.htm
今回の展示は日本と内モンゴル自治区が2005以降行ってきた調査により発掘された契丹王朝の文化遺産が数多く展示されています。
10世紀初めのモンゴルの文化を知ることのできる貴重な展示となっています。
契丹(遼)王朝の文化は中国(当時は唐)の文化の影響を主体としていますが、北と西の国々の文化の影響も受けています。
唐のものよりもおおらかだったり躍動感のある表現が多く見られるようです。
金属工芸等に見られる毛彫の細い線による表現もどこか間の抜けたような味わいが面白いです。
展示中盤には大きな木棺が展示されています。
これは唐の文化の影響を強く受けているそうで、赤い塗りと浮き彫り、金の装飾などが全面に施されています。
当時の姿を想像してみると豪華で重厚なものだったのだろうと思います。
所々に書いてある人物の絵は気の抜けたようなものだったりして、そういうところは面白いですね。
他にも陶器は現代のものでも通用しそうなモダンな出で立ちのものやバーナード・リーチに通じるようなラフな陶画のものなど全体におおらかなものが多くて非常に面白いところです。
展示カタログの巻末には文化、工芸に関する各論が充実しています。
こちらは唐文化と契丹文化の差異を知る上でもオススメです。
ということで、
この展示を見るまでは失礼ながら契丹、モンゴルといっても中国文化と同じだろうと思っていました。が、やはり違いますね。
アジアの古い国の文化は西欧諸国のものと比べるとついつい見逃しがちですが、よく見てみるとやはり国ごとに違いがあって、その背景は習慣とか国の歴史が関わっているものが多いです。
そういう機微を味わうのもなかなかいいですね。
展示は2012年9月17日まで。是非。