Web担当者Forum × CSS Nite「実践ワークショップ」参加レポート
こんばんは!
最近、初対面の方に「君って特攻隊長気質だね!」と言われることが多い、@cremaです。
本当はとっても傷つきやすい乙女なのになぁw お酒を飲むのもほとんどやめたし。。。
Web担当者Forum × CSS Nite「実践ワークショップ」
まぁ、そんなことはどうでもよくってですね。今日は、Web担当者Forum × CSS Nite「実践ワークショップ」の第1回『発注者と受注者の"すり合わせ"のためのチェックリスト』に参加してまいりました!
場所は、麹町にあるKDDIウェブコミュニケーションズさんのセミナールーム。バーカウンターもあるお洒落で広くて居心地の良い素敵な空間に、二十数名限定という贅沢な勉強会でした。
コーディネーターは、サイバーガーデンの益子貴寛さん+Web担当者Forum編集長の安田英久さん+エイチツーオー・スペースのたにぐちまことさんで、もちろんCSS Nite主宰の鷹野雅弘さんもいらっしゃいました。
発注者(企業のWeb担当者の方)と受注者(主にWeb制作をなさっている方)が一同に会し、「サイト制作の初期段階における意識や役割分担のすり合わせ」に関して率直な意見を交わし合うというこのイベント。
実はワタクシ、「なめられたらあかん!」的にかなり気負った気持ちで参加させていただきましたw (ですが、結局いつものおばかさんキャラに終始していたかも...)
それでは、ここから参加レポートです。つらつらと書いていきますね。
今回のワークショップの狙い
発注者と受注者の「溝」には、以下のようなものがある。
- 言葉
- 知識・経験
- ライフスタイル
- ツール
- コミュニケーション手段
- 仕事内容評価される尺度
それぞれの立場で思う存分本音を語り、共有する。
ただ語るだけではなく、仕事に活かせるようなチェックリストにまとめる。このような作業で「溝」を埋める。
益子さんによるオープニング終了後、まずは以下のテーマでワークショップ開始です。
前提条件
新規コーポレートサイトの制作をすると仮定
- 発注側からすると「当社サイト」
- 受注側からすると「御社サイト
静的ページ中心の制作
- ショッピングなど特殊な機能は考えない
- 問い合わせフォームなどプログラムは最低限
この前提条件の下に「RFP(Request For Proposal/発注側が受注側に用意する詳細な資料)」で必要とされそうな項目を洗い出していくという作業です。
まずは10分の個人ワークで、発注側の方は「なにを伝えておくべきか」「なにを聞いておくべきか」を書き出し、受注側の方は「なにを伝えておいて欲しいか」「なにを聞かれると考えておくべきか」を書き出します。
その後は、4人ずつのグループになって、個人ワークで書き出した意見をポストイットに書き出し、ホワイトボードに貼って分類します。
皆さんが書き出した項目は、こんな感じですね(クリックすると大きな画像でご覧になれます)。
どのグループの方々も、日頃「これは聞いておかなければ!」と考える項目を事細かに書き出した感じでしたし、これを書き出してヒアリングシートにまとめれば、すぐに仕事に使えそうな気がしましたが...。
たにぐちさん+安田さん+益子さんからのコメントが、さらに参考になりました。
たにぐちさんのコメントの主旨
皆さん細かな項目を書き出しているが、初期のヒアリングであまり細かなことを発注側に聞いても、「それは、よしなに」としか言いようのない部分があるのではないか。それよりも「そのお客様のビジネスは何なのか?」というところを一番最初に考えるべきだ(例えば「自作した指輪を主婦層に売りたい」「英語教室を開いて近所の子供達に教えたい」等)。それが根底にあってこそ、「モバイルサイトも作るのか?」「サイトのデザインテイストは?」などの確認へと導いていくことが出来るのでは?今日付箋で書き出したことを全部Excelでまとめて「さぁ、全部埋めてください」と発注者側に頼んでも、多分成功しない。
(黒野の記憶が間違っていたらご指摘ください)
安田さんのコメントの主旨
皆さんの書き出したことには「ビジネス視点でのお客様の成功とは何か?どうなったら成功なのか?」という観点があまり無かった。目標PVの達成などのWeb上での成功ではなく、「いくら売れたら成功?」「何人応募してきたら成功?」などの、必ず達成すべきビジネスの目標、をまず考えるべき。発注側は「奇麗なサイト」が欲しいのではなく「成果をあげるサイト」が欲しい。「Web制作会社」というよりも「Web Agency(代理店)=発注者の代理として考える存在」であるべき。「時間」「質」「お金」のどれを優先するかというのは相関関係にあるので、お客様がどれを最優先しているのかを確認すること(例えば、「時間」が最優先なのであれば、多少「お金」がかかったり「質」を犠牲にしたり、ということもありうる)。
(黒野の記憶が間違っていたらご指摘ください)
益子さんのコメントの主旨
皆さんの付箋のまとめ方に色々なパターンがあって興味深かった。大きく分けると「ブロック型」「四象限(マトリックス)型」「ワークフロー(レイヤー)型」。同じことをどうまとめて見せるかにも色々な方法があるので、研究してみると良いのでは。
(黒野の記憶が間違っていたらご指摘ください)
このワークショップの後には、「発注者からの受注者への要望」「受注者からの発注者への要望」をお互いに本音を書き合う、というワークが行われました。
発注者からの受注者への要望で上がっていたもの
- 文字を全て画像にしてデザインするのはやめて欲しい(読ませたい商品スペックなど)
- あまり大勢で打ち合わせにくるのはやめて欲しい(人件費にコストをかけるのではなくクリエイティブに回して欲しい)
- 難しい言葉を使わないで欲しい
- 分からないからと言って騙さないで欲しい
- 提案時のデザイナーと実作業するデザイナーを無断で差し換えないで欲しい
- どこまでが無料なのか
- もっと提案して欲しい
受注者からの発注者への要望で上がっていたもの
- つぶれないで欲しい
- 発注後にドタキャンしないで欲しい
- イラスト等を無断で二次使用しないで欲しい
- あまりに激しくネガティブな言葉を使わないで欲しい
こちらのほうは割とどきっとする内容が多かったように思いますが、実際の仕事の中で経験があることもあり、今後は気をつけようと深く頷いてしまいました。
私の感想
一番印象に残ったのは、たにぐちさんと参加者のKさんがおっしゃっていた「分からないお客様にいきなり細かくヒアリングしても答えようが無いこともあるし、逆効果のこともある」ということです。
案件で色々とミスや抜けがあると、次回からは同じことをしないようにと、やたらにチェック項目を増やしがちです。そして、ついついお客様にあれもこれもと一気にヒアリングをしてしまいがちだったりします。
しかしKさんの経験によると、一気に沢山の質問を浴びせかけてしまって、「え?Webサイトを作るのってそんなに大変なの?じゃあ、やめておきます」となってしまうこともあったとか。
確かに、クライアント企業の担当者の方によってはWebサイト作成に関する知識がほとんど無いために、「色々分かっているWeb制作者に相談したい」というパターンもしばしばあるかと思います。
その時、我々Web制作に携わる側がひたすらに「どんなデザインが好みですか?」「ご予算はいかほどですか?」などと質問しまくるのではなく、お客様のビジネス視点に立って上手にコミュニケートしていき、必要なタイミングで必要な情報を得たりご提案したりできるようにコントロールしていくスキルが必要なのだと痛感しました。
「美しいデザインを作る」「Web標準に準拠したコーディングをする」などのスキルはもちろん重要ですが、それらを持っているWeb制作者の方は大勢いらっしゃいます。価格競争も激しいですし。
そこだけで勝負するのではなく、お客様のビジネスを成功させる為の「ヒアリング力」「コミュニケーション力」「提案力」について、しっかり見直していきたいと深く感じました。