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日本橋のタグチファインアートで開催中の「To Be or Not to Be 古代メソポタミアの円筒印章」展に行ってきた。描かれた古代の物語に興味津々です。

こんにちは、taku-workです。
展示などはいろいろと頻繁に行くようになると鼻がきくようになるというか、当たりの展示に巡り会いやすくなる気がします。

ということで、今回は日本橋のタグチファインアートで開催中の「To Be or Not to Be 古代メソポタミアの円筒印章」展のおはなし。
数センチの小さい円筒印章に描かれた物語に興味津々です。

taguchi fine art.com, schedule
http://www.taguchifineart.com/schedule.html

120725 01

ギャラリー「タグチファインアート」は日本橋のオフィス街の片隅、首都高沿いのビルの地下にあります。
地下へ向かう階段は狭いので少々不安になりつつも地下のギャラリーへ降りてみると、透明ケースに小さな円筒形の石のようなものと粘土板のようなものが展示されています。
よく見ると円筒形の石には模様や図柄が彫ってあります。この小さな円筒形の物体を円筒印章というのだそうです。

円筒印章は古代メソポタミアのころ手紙や契約文書のようなものの所有や主体を示すために使われたもののようです。
現代でいうところの判子のようなものでしょうか。
彫られた印章を粘土板に押し当てて転がすと模様が転写されるというわけです。
転写されたものは印影といって、当時は粘土板文書などにも押されていたようです。

展示されている印章の大きさはどれも数センチ。小さいものは1cm程度のものもあります。
素材は大理石や黒色石、ラピスラズリや貝芯など、当時としては装飾品に使われるような貴重な素材も多かったようです。
どの印章も角が取れて丸く柔らかい印象で、形や質を見てもすばらしいです。

印章とセットで展示されている印影の粘土板には彫られた模様が写されているのですが、小さな版の中に「人とライオンの闘争図」や「座する人に拝謁する二人の人」のような場面が描かれています。
これが紀元前3000年のころの記録かと思うとロマンといいますか、古代への妄想に火がつく感じといいますか、とにかくわくわくしてしまいます。
紀元前800年ころの印章には「イシュタル女神を礼拝する人、山羊、有翼円盤、月」なんていうもはやファンタジーな図柄が彫られていたりと興味がつきません。有翼円盤て。

ということで、
今から3000年以上前、古いものだと5000年も前の人々がどんな考えで小さな石にこんな図柄を彫り込んだのか、それを考えているだけで小一時間は過ごせそうなそんな展示です。
展示は2012年7月28日まで。古代好きや小さいもの好きにオススメです。