linkerは「人と人」「人と情報」「人と物」をつなぐデザインユニットです。

「パターンランゲージ」について学びたい。

火曜/金曜担当の@cremaです。

本日は、最近仕事でよく目にする言葉「パターンランゲージ」についてのお話です。

いま取り組んでいる仕事で沢山のWebサイトデザインを研究/分類する作業が発生しているのですが、その打ち合わせの折に耳にした言葉が「パターンランゲージ」です。

またもや恥ずかしながらこの単語を知らなかった私ですが、その場で教えていただきました。ちょっとウィキペディアからも引用してみましょうか。

パタン・ランゲージ(pattern language)はクリストファー・アレグザンダーが提唱した建築・都市計画にかかわる理論。単語が集まって文章となり、詩が生まれるように、パターンが集まってランゲージとなり、このパタン・ランゲージを用いて生き生きとした建物やコミュニティを形成することができる、とされる。

(中略)

アレグザンダーは『パタン・ランゲージ』(1977年、邦訳1984年)の中で、人々が「心地よい」と感じる環境(都市、建築物)を分析して、 253のパターンを挙げた。パターンが集まり、それらの関連の中で環境が形づくられる。1-94は町・コミュニティに関するパターン、 95-204は建物に関するパターン、205-253は構造・施工・インテリアに関するパターンである。

パターンの例には「小さな人だまり」「座れる階段」「街路を見下ろすバルコニー」などがあり、これらは家を建てたり、まちづくりのルールを決める際に役立つヒントにもなっている。アレグザンダーによればこれらのパターンは各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なもので、かつては誰でも知っていたものであるが、近代都市計画では無視され、急激な近代化の中で忘れられてしまったものである。

パタン・ランゲージ - Wikipedia

また、『数学ガール』で有名なプログラマ/ライターの結城浩さんのサイトでも、こんな文章を見つけました。

Christopher Alexanderという建築家がいます。彼は著書『A Pattern Language』の中で、建築において繰り返し登場する253のパターンを、ある定まったフォーマットで記述しました。そのパターンは互いに関連し合い、連携し合って1つの大きなゆるやかな体系をなしています。それが建築におけるAlexanderのパターン・ランゲージです。しかしAlexanderはこれを "The Pattern Language"(唯一のパターン・ランゲージ)ではなく、 "A Pattern Language"(ある1つのパターン・ランゲージ)と表現しました。すなわち、パターン・ランゲージの考え方は、建築だけに適用できるものではないのです。

例えば、オブジェクト指向プログラミングおよびオブジェクト指向に基づく設計に対して、パターンおよびパターン・ランゲージを適用して生まれたのが、プログラミングにおける『デザインパターン』です。その他にもさまざまな分野にパターンおよびパターン・ランゲージを応用することが可能でしょう。

絵本を読むときのパターン・ランゲージ

ということで、クリストファー・アレグザンダーさんという建築家が提唱した「パターンランゲージ」という概念が詳述されているのがこの本なのです。

パタン・ランゲージ―環境設計の手引
クリストファー・アレグザンダー
鹿島出版会
売り上げランキング: 173689
おすすめ度の平均: 4.0
5 パターン
4 本書のUPDATEされたものが読みたい
3 内容を省きすぎ
5 この本の目指したものに触発されて


お値段が10,000円以上するので、ちょっとまだポチッとできず躊躇しているのですが、どうやらこの本の考え方が、Webデザインの世界にも応用され始めているらしいのですよね(って、もうご存知かもしれませんね。すみません><)。

そのことを実感したのが、今日ふらふらWebをさまよっていて知ったこのイベントです。

2010年度 第3回HCD-Netサロン「パターンランゲージとHCD」を開催します。

約25年前に建築家クリストファー・アレグザンダー氏によって提唱された、要素分解を越えて、より動きのある建築を構成するための手法「パタン・ランゲージ」。
この手法は実は、部門を横断したデザインである、ユーザーエクスペリエンスデザインのアプローチと共通する点が多くあります。
今回は、パターンランゲージアプローチを実践している、中埜博さんにお越しいただき、パターン・ランゲージ手法の意義、そしてユーザーエクスペリエンスデ ザインから見た、パターンランゲージアプローチの意味について議論します。

HCD-Net | HCD-Netサロン|パターンランゲージとHCD

日本を代表するインフォメーションアーキテクト長谷川敦士さんも事務局に参加している「人間中心設計推進機構」という特定非営利活動法人があり、「人間中心設計(Human Centered Design=HCD)」に関する学際的な知識を集めて提供していらっしゃるのですが、そこで開催されるイベントなのですね。

もしかしたら会員でないと参加できないのかもしれないのですが、とりあえず「参加費」の欄に「一般」の料金が書いてあったので、私は申し込んでみました。

2010年8月6日(金)のイベントだとのこと。まだお返事をいただいていないので参加できるかどうか未定ですが、参加できるといいなぁ。

最近この分野にとても興味があり、改めて以下のような本を読み返しています。

ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト
棚橋 弘季
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 55913
おすすめ度の平均: 4.0
1 実践的ではなく、理論的
5 人間中心設計を回すための本
5 棚橋さんの思いが凝縮
4 実践的な良書だが、文章が長い
5 ユーザー中心デザインの教科書


デザイニング・ウェブインターフェース ―リッチなウェブアプリケーションを実現する原則とパターン
Bill Scott Theresa Neil
オライリージャパン
売り上げランキング: 130096
おすすめ度の平均: 4.5
5 UIに関わるすべての人に
4 リッチネスインターフェース


これらの名著で鋭意学習しつつ、先に触れた仕事で有意な結果を残せるように、精進いたします。

もし第3回HCD-Netサロン「パターンランゲージとHCD」に参加でき、レポートOKの承諾をいただけましたら、またjournalでもレポートしたいと思います。