「『R25』のつくりかた」を読みました。
こんばんは!火曜/金曜担当の@cremaです。
皆さま、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか?ご旅行に出かけたりしていらっしゃって、このエントリーを今日(5月5日に)読まれてないかもしれないですね。
私の方は、小林さんから聞いた「ゴールデンウィークは、ゴールデンバッファですよ!」という言葉そのままに、今まで遅れ気味だった案件を必死で消化中です。。。
さて、前々回の@taku-workのペルソナの話、前回の@mersyの読書の話を引き継いで、今日は「ペルソナに関する書籍を読んだ話」を書こうかと思います。
首都圏で配布されているフリーペーパー「R25」
「R25」というのは、東京二十三区を中心とした一都三県で配布されている、M1層(25才20才から34才の男性)向けのフリーペーパーです。Webサイトがあり、mixiニュースなどとも提携しているので、この地域外にお住まいの方でも名前は見たことがあるかもしれません。
私の行動範囲内だと、新宿駅西口から大江戸線乗り場に向かう「京王モール」の壁に設置された大きなラックや、京王線自宅最寄り駅近くのコンビニなどで配布されています。私はF2層(35〜49才の女性)なのにも関わらず、デザインの可愛さと表紙の見出しが面白そうなのにつられてついつい貰ってしまうという(ごめんなさい)、人気フリーペーパーです。
事業を立ち上げた藤井大輔さんが執筆した本
「『R25』のつくりかた」は、このフリーペーパーを立ち上げた前編集長の藤井大輔さんという方が書かれた本です。今までに全く無かった種類のメディアを一からつくりあげていく際に、どのような思考と工夫の過程を経たかが事細かに記述されています。
- ASIN: 4532260337
- [新書]
- 価格: ¥ 893
- 日本経済新聞出版社
M1層は「テレビをあまり見ない」「新聞も読まない」と言われているのに、その人たちの心刺さるメディアをつくりだし100万部配布を目標にする、という事業計画をいかにして実現するか。
藤井さんとチームの人たちは、膨大な数のアンケートをとったり、200人ほどのM1層にインタビューを行ったりしたデータを集めて、彼らの心を探ろうとします。
しかし計画の途中で、アンケート結果とインタビュー結果のずれがでてきます。それは、対面インタビューだと被験者がついつい見栄を張って、耳障りの良い答えを言ってしまうせいであることが発覚したりします。そこで藤井さんたちは、いかにして被験者の心の殻を砕くかを、手を変え品を変え試します。
調査に調査を重ね、藤井さんはついに自分を「M1層のイタコ」と思えるくらいに彼らの心を知ることになるのです。
そして、そこで出来上がった人格(?)を元に、以下のような事柄をひとつひとつジャッジしていきます。
- どのようなシーンで読まれるか?(曜日や時間やシチュエーションや気分)
- どのようなテーマで?(そもそもどんなものを読みたいのか?何を知りたいのか?)
- どのような言葉を使ったタイトルで?(ターゲットに好まれ、信頼を責任を感じさせる言葉づかい。)
- どのくらいの文章量で?(帰りの電車一駅分で読めるくらいの文章量、とか)
- どのようなデザインが?(手に持って歩いても恥ずかしくないデザイン、とか)
その仕事ぶりは、まさにペルソナの作成なのでは?
実は私はペルソナの作成に関しては非常に初心者で、前々回の@taku-workの記事に書かれたあの案件で、初めて本格的なペルソナ作成に参加しました。
ですからもしかしたら間違っているかもしれませんが、この本に書かれている藤井さんの仕事ぶりは、きっとペルソナ作成とその活用のよいサンプルなのではないかと思うのです(どなたか詳しい方がいらしたら、ご指摘ください)。
この本の中には「ペルソナ」という言葉は一度も出てこないのですが、藤井さんは徹底的に対象層を調査し、彼らになりきって、彼らが何を思い何を好み何を悩んでいるか、ひとつひとつ論理的にジャッジしています。
その結果、ターゲットに非常に評価され受け入れられるコンテンツを生み出すことに成功し、「M1層をターゲットとしたクロスメディア展開なら『R25』」というブランドを作り出しました。
この手法の成功イメージが非常に印象的でしたので、次回「ペルソナ」を作成する案件を手がける際には、頭のどこかにこのイメージを掲げて仕事にあたりたいと考えています。