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Adobe Illustrator CCとPhotoshop CCの新機能をいくつかピックアップ

ども。 @crema です。

日本時間の昨夜アメリカ本国で始まったAdobe MAXでの発表を受け、本日東京でも「Create Now MAX 2013 速報 スペシャルイベント」が開催されました。Ustreamでも中継されていましたので、ご覧になった方も多いかと思います。

発表内容は、基本的には下記記事の通りなのですが、

特に話題になっているのは、

  1. 今後の新バージョン提供はCreative Cloud上のみで行われることになり、新バージョンのパッケージでの販売が無くなる
  2. 製品名の最後につくのは「CS(Creative Suite)」ではなく「CC(Creative Cloud)」になる
  3. Fireworksの新バージョン開発がされなくなる(バグフィックスと新OSへの対応はされる模様)

といったあたりでしょうか。

Fireworks関連では、長谷川恭久さんが素敵記事をさっそく公開されていますね。

そんななか空気が読めない感じで(?)恐縮ですが、せっかくなので、特に自分が注目しているIllustratorとPhotoshopの新機能について、さっくりメモっておきたいと思います。

Adobe Illustrator CCの新機能いくつか

文字タッチツール

アウトライン化せずに文字情報を保ったまま、一文字づつ選択して変形できるツールが追加されました。文字列に変形をかけた後、文字を打ち替えることも可能です。

写真:文字タッチツールデモ

囲み罫を作りやすくなったブラシ

自分で作成するブラシで、コーナータイル(ブラシの角の部分)が自動生成されるようになったり、

写真:コーナータイルデモ

写真を使ったブラシ生成が可能になったり。

CSSの書き出し機能の強化

Illustratorで作成したアートワークから、CSSを書き出したりSVGとしてコードを生成したりできるようになったとのこと。個人的には、これで書き出されるコードの内容とワークフローの改善が可能かどうかを、今後重点的に検証していきたいと考えています。

エリア内文字とポイント文字を瞬間切換え

エリア内文字ツール右側をクリックすると、ポイント文字に瞬間的に切り替わる。逆も可能。地味ですが意外と役立ちそうな機能ですね。

写真:エリア内文字とポイント文字を瞬間切換えデモ

全体的なIllustrator CCの紹介ビデオ

その他にも多くの新機能があるので、気になる方はこちらのビデオをどうぞ。長さは12分ほどです。

Photoshop CCの新機能いくつか

「ぶれの軽減」で手ぶれ写真をシャープに補正

今日のデモで最も観客が湧いていた機能は、多分これ。新機能「ぶれの軽減」により、長めの露光(1秒とか)で生じた『手ぶれ』が、無かったことのようになっていました。

スマートシャープ機能の刷新

ネムい写真をシャープにする『スマートシャープ』機能のアルゴリズムが刷新されたそうで、ノイズやハロー効果が少ない状態で写真をしゃーぷにできるとのこと。

Camera Rawをフィルターメニューとして使用

これまではプラグインだった「Camera Raw」を、Photoshopの中でフィルターメニューとして使用できるようになりました。写真撮影好きのひとには、嬉しい機能かもしれませんね。

雑感

今日の『Fireworks開発終了』発表を受けて、一部では『脱Adobe!』という機運も盛り上がっているように見受けられますが、個人的には自分が適切と判断したツールを適切なシーンで使い分けしていけばいいのかなと思っています。

のらりくらりとした態度のようですが、仕事としてIllustratorとPhotoshopの講義や書籍執筆をしているわりには、「なにがなんでもIllustratorとPhotoshopを使わなきゃ!」という考えでもなく、逆に「これからの時代は完全に脱Adobeだ!」というわけでもなく。

性格的に食わず嫌いではなく、なんでもとりあえずは首を突っ込んでみたいのですよね。

正解はいつもひとつではなく、時代と環境によって、常に揺れ動くものだと思いますので。

ということで、今後も様々なツールをあちこち試しながら、メーカーさん、制作者の皆さん、そしてクライアントさんの想いや事情をうわばみのように飲み込みつつ、時代の流れに則った最適解を探していこうと考えています。

当面の課題は、IllustratorをどのくらいWeb制作のワークフローに乗っけていけるかな、という実験ですかねー。