銀のスプーンを作ってみた。たまにはこういうのもいいもので。
こんにちは、taku-workです。
銀のスプーン作りたいなーって、思うときありますよね。
ということで、今回は銀のスプーンを作ってみたというおはなし。
たまにはこういうクラフトな物作りも楽しいですね。
まずは材料と工具
材料は5mm角のシルバー925。925というのは純度92.5%のシルバーという意味です。7.5%の銅が混ざっています。
925はスターリングシルバーと呼ばれていまして、一般に銀のジュエリーは925が多いですね。
今回はこの5mm角、長さ40mm程度の銀の棒材を叩き伸ばしてスプーンを作ります。
叩き伸ばす以外の方法としては、板をスプーンの形にあらかじめ切り抜いたものをたたいて作るというのがありますが、それだと味気ないので、今回は角棒から作ります。はい。
必要な工具は
- 延べ槌(からかみがついているもの)
- いも槌(先が丸い槌)
- やっとこ(熱いのをはさむやつ)
- 金床(たたく台)
- 木台(金床を差し込む台)
- バーナー(銀を熱します)
- 耐火煉瓦(これにのせて熱します)
- 酸化膜除去用のディクセル(酸化膜とります)
- ヤスリ(磨きます)
- 磨き材(さらに磨きます)
といった感じ。延べ槌はからかみ(槌の後ろの細い部分)も使うのであると便利です。
大抵の道具は上野や青山のコモキンとか御徒町のGOSHOとか、もしくはハンズで手に入ります。
銀材はコモキン、GOSHOどちらでも注文できます。5mm角なら在庫もあるはず。ハンズは割高です。
手順1:焼き鈍しをする
焼き鈍し(やきなまし)とは、金属を熱して柔らかくすることで、まず最初にこれをします。
金属は叩いていくと硬化していきますので、硬くなったら焼き鈍しをする必要があるわけです。
銀を耐火煉瓦にのせて、バーナーを使って銀の表面が桜色になるまであぶります。
部屋の中でやる場合は周りに要注意。火事こわいです。
焼き鈍したら、すぐに水につけて熱を取り、酸化膜除去用のディクセルにつけてしばらくおきます。
(写真はだいぶ形ができてからのもの)
取り出したら水気をよく拭いて、叩きはじめます。
手順2:叩いて延ばす
金床は木台に差して固定しておきます。写真の金床は差し込むタイプ。
ほかにも鉄の塊ならレールでもブロックでも叩くときに動かないように固定してあれば大丈夫。
叩くとかなり響くので、マンションとかでやるには要注意です。苦情こわいです。
銀を金床にのせて、銀の半分を細く伸ばして柄に、もう半分を平たく伸ばして皿(すくう部分)にしていきます。
柄の部分の延ばし方は、延べ槌のからかみ部分で棒に対して垂直に叩いていきます。表裏叩いたら、90度倒して向きを変えて同じく表裏叩いていきます。
銀材に対してからかみの面がまっすぐ当たらないと四角がだんだん菱形によれてくるので注意です。
皿部分はからかみを棒と平行にして叩きます。そうすることで幅が広がっていきます。
皿は最後に丸めるので、必要な大きさが出るまで平らでOK。
ある程度叩くと銀が硬くなってきて、叩いた時の音がキンッと高く響くようになります。そうなったら焼き鈍しをします。
焼き鈍し→延ばしを繰り返して柄と頭を形成していきます。
焼き鈍しと延ばしを5〜6回くらい繰り返すと大体ティースプーンの大きさになります。
(本来はこの時点までに皿の先を丸くするように先を細くしてから平たく幅を出すのですが、やるの忘れちゃいました。なのであとで切って形整えます。不本意です)
手順3:頭を窪ませる
頭を窪ませるには、木台などに丸いくぼみを彫刻刀などで彫っておいて、そこにあてがっていも槌で叩きます。
好みのくぼみがついたら、 当て金(なければいも槌でも大丈夫)に乗せて皿の背を叩いてならします。
こんな感じで丸くなったらOK
手順4:磨く
形が整ったら磨きます。
ヤスリで形を整えて、触っていたくないように角を落としていきます。
(叩いて形を作る際にきれいに整えておくとヤスリの行程が少なくてすみます。下準備って大切。)
ぴかぴかにしたい場合はリューターなどで磨くと楽ですね。
今回は手抜きですが、ヤスリ→中目のシリコンビット→バフがけでさくっと済ませました。
ということで、
完成です。
こんな感じで、基本的な道具と時間さえあればわりと簡単に作れます。
本格的にきっちりかっちり作るとなると気をつけるところはいっぱいあるのでしょうが、まぁホビーレベルで問題なければ気楽にやるのがいいですね。
日頃のウェブデザインの仕事の合間によい気分転換になりました。
さぁ、レッツトライ、です。