美人編集長引退の謎に迫る! blogs.comファイナル座談会を目撃。
火曜/金曜担当の@cremaです。
......タイトルは釣り(のつもり)です。すみません>< @941さんに「釣りタイトル期待してます!!」と言われたので、精一杯頑張ってみました。
で、真面目に本題。
@taku-workと@mersyがサイト制作に関わっていた「jp.blogs.com|おもしろブログ記事のまとめサイト」ですが、諸事情により今月末で惜しまれつつ更新停止になるとのこと。
今日はそのファイナル記念座談会がUstされたので、拝見しておりました。
ブログメディアとして2009年8月27日にスタートして約1年半。blogs.comの運営を通して、成功したこと、失敗したこと、こうすればよかったこと、意外にこれは○○だった、たぶん今後のネットメディアはこうあるといいんじゃないか・・・などなど、ブログメディアを運営する側として得たことをシェアしていきたいと思います。成功例よりも、失敗例や課題、トライ&エラー、今後やるならこうかもね、というようなことをシェアしたほうが有用だと思うので、そのあたり盛り上がる予定です!
ブログメディア界隈の外縁をうろうろしている私にとっては、この「失敗例」話は多分とても貴重な糧になるはず!と思い、定時からPCの前で正座してメモをとりながら拝聴させていただきましたです。はい。
録画アーカイブはこちら(@taku-workもちょこっと喋ってますよ!)。
詳しくは上記録画をご覧いただくとして、私が拾ったおおまかな要点は下記の通りです(ちょっと自分の言葉に直してしまっているので、意図を曲げてしまっていたらご指摘ください)。
- 編集長の上野さんが退社なさるということが、初めて(?)発表に!(お疲れさまでございました!)
- 月間PVは25〜30万を推移していた。他メディアに取り上げられると一時的に延びても、また元に戻る感じだった。
- 当面の成功の指標としては100万PVというのも考えていたが、本当にPVだけが成功の指標なのか?
- あえて大手ニュースサイト(Yahoo!トピックスとか)に記事配信をしていなかった。blogs.comは雑誌で言ったらどの路線を目指したのか?→専門誌ではなく一般紙。
- 小学生が読んでも大丈夫な「健全さ」を目指していた。「炎上」ネタや「エログロ」は扱わなかった。
- オープン時にあえてプレスリリースを投げなかった。実験的に、サイトとソーシャルメディアのみで広めた。
- マネタイズが目的という訳ではなかった?
- ネタ探しのシステムの話。RSSリーダー、Tumblr等でネタ探し。はてなブックマークから掘り起こす方法も。ネタを探すのに数時間かかることも。
- 面白いブログ記事の「何が面白いのか」を言語化するのが難しかった。
- ある程度テーマを絞った方がよかったのかもしれない?
- 季節ごとにテーマを設定して、それに沿って各ライターさんに書いてもらった方がよかったのかもしれない?
- mashableみたいに、もっと個人の顔が見えるサイトにしてもよかったのかもしれない?(ライターさんの顔写真を出すとか)
- 方針は、当初は「日本語で面白い個人のブログ」。何年経っても面白いと人に教えたくなるもの。あとから「海外」「ソーシャルメディア」もありになった。
- 1記事に対して1記事紹介するだけでなく、複数記事をまとめた記事というのがあってもよかったのかも。
- 目標としていたのは、「はてブニュース」だったかもしれない?
- 「美人編集長」ではなく「みかおねえさん」という設定の方がよかったのでは?
- ギャラや支払い体制のお話。定額がいいのか?1本いくらがいいのか?
- PV1位の記事は、これ>糸井重里さんがツイッターをはじめて2週間で気が付いたこと http://ow.ly/3LT3E
- PV2位の記事は、これ>創業当初のGoogleが世界中から超一級の天才を集めた方法とは http://bit.ly/dKXc2y
- ネットバトルは神経が太い人でないと生き残れない。いい作品を作る人がメンタルが強いとは限らないので、守ってあげることも必要なのかもしれない。
- タイトルの付け方。刺激的な単語を冒頭につけると良い傾向にある。
- やはり芸能人の名前が入っていると、PVがあがるというお話。
- なにが「ネットメディア」としての成功なのか?PVだけではない?その分野のオーソリティとして確立すること?
- ライターがモチベーションを維持できるような仕組みづくりがあってもよかった?
- jp.blogs.comは、ロケットニュース24みたいになれたのかも?
- jp.blogs.comは、もう少し編集長の上野さんの個性を活かして「女性っぽさ」を出してもよかったのかも?
- 今日の話を参考に、シックス・アパートとしてzenbackなどのソーシャルメディアに関わる製品を開発していけるのではと思った。
- 各ライターさんたちが「本当は書きたかったけど書けなかった記事」の話。どうやってjp.blogs.comの中に収まるかどうかが分からなくて書けないことがあった。
- 人気まとめサイトにありがちな「なんでお前の恣意的視点でまとめてるんだ」というような炎上がほとんど無かった。
こういうお話って、実際にブログメディアを運営してみないと分からない話だったりする訳です。PVの目標値はどうするだとか、記事の報酬体系どうするかとか、テーマ設定どうするかとか。リアルなお話が聞けて、参考になりました。本当に。
さらに、このUstを見ながらソーシャルストリームで皆さんがつぶやいていたことも、興味深かったのですよね。既にTogetterでまとめられています。
この中から、特に私が気になった名言を5つ拾ってみました。
まずは、運営体制、環境に関して。
@941 成功は「続けられる環境を獲得すること」じゃないかなあ。
@shigotonin そもそも。なんのためのサイトだったのか?持続可能な体制かどうかの視点は誰においても必要。結果ははじまる時に決まってるだよね。RT @941: キレイすぎるサイト続けたいなら稼ごうとしちゃダメでしょ
@941 ユーザーの方向だけ向いてられないってのは、運営母体があり複数人で運営している以上はついてまわる問題。
そうなんですよね。個人で書いているブログではなく、組織で運営する「ブログメディア」では、どうやって続けられる環境(人員的、時間的、金銭的、諸々)を作っていくのかはとても重要なのですよね。マネタイズの話も含め。
あとは、テーマやタイトルに関して。ライターをなさっていた@cafewriterさんが欠席のため、Twitterでつぶやいて参加していました。
@cafewriter 書いている立場で気付いたのは、時事ネタを取り上げないとなると、だいぶPV的に不利になるということです。blogs.comはその意味ではかなり辛い方針を選んでいたと思います
@cafewriter あー刺激的な単語を最初にっていうのはその通りですね
時事ネタって、やはり強いんですねー。linkerの小規模なアクセス数の中でも、やはりiPhoneやiPad/電子書籍関連の話題に人気があるのは、ある意味「時事ネタ」なのかなぁと。
刺激的な単語、というか人が興味を持ちやすい単語をタイトル冒頭に持ってくるというのは、基本中の基本ですよねー。とか書いちゃってますが、実践できていないことも多々あり、です。
PVをきっちり稼ぎ、その分野でのオーソリティとしての地位を確立し、がっつりマネタイズし、運営に関わる人が時間的金銭的にきちんと回していける体制を作り、みんなで幸せになるブログメディア。
ゼロからそこまで辿り着くには、本当に沢山のエネルギーを注ぎ込まねばならないということを実感したUstでした。
スタッフの皆さま、本当にお疲れさまでした! いつか再開してくださることを願っています。