linkerは「人と人」「人と情報」「人と物」をつなぐデザインユニットです。

良いプレゼンをする心構えなど。

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火曜/金曜担当の@cremaです。今日のお話は、人前でプレゼンをする際の準備について。

私はイベントで人のプレゼンを聴くことも多いですし、自分も人前でお話する機会は少なくありません。プレゼンを聴く際に一番気になるのは、「あ、この人、全然練習してないな」ということですね。

以下に書く事は自分もできていないことが多いのですが、とにかく心がけていることをまとめてみます。

心構え

有料のイベントであれば来場者の方々にはお金を頂戴しているわけですし、無料のイベントであっても貴重な時間を割いて自分の主張を聴いていただくわけです。そんな方々に最大限お返しをするという気持ちを持つと、準備にも気合が入ります。

さらに、この一回のプレゼンが、次の仕事(など)へのステップだという認識も重要ですよね。このプレゼンを聴いた人から、仕事の依頼が来るかも。製品を買ってもらえるかも。その可能性を最大限に高めるべく、全力投球です。準備にかける時間は、必死で捻出できるといいですね。(本当は「捻出すべき」と強く書きたいところですが、とても偉そうになるので避けます。)

準備するポイント

プレゼンをすることが決まったら、以下のような与えられた条件を確認します。

  • 自分に与えられた時間は何分か?
  • その日に絶対伝えたい結論/メッセージは何か?
  • プレゼンを聴く人達は、どんな人達なのか?人数は?
  • 会場の広さ、明るさ(照明など)は?

これに加えて、次のようなポイントをおさえて準備をします。

  • スライド作成に使うマシンやソフトのチェックについて
  • 発声や身振り手振りの練習について
  • 笑いを入れるかどうか問題
  • スライドの作り込みについて
  • ライブコーディングやデモについて
  • 資料の配布について

では、ひとつひとつについて、見ていきましょう。

自分に与えられた時間は何分か?

何分お話するかで、プレゼンのスタイルやストーリーの作り方が変わります。短ければ、要点だけを印象づける構成に。長ければ、実例やデモなどを入れて詳細に。などなど。そして、与えられた時間内できっちり話し終わるように、数回の練習が必要です。

その日に絶対伝えたい結論/メッセージは何か?

プレゼンを聴いた人に絶対に持って帰ってもらいたい要点を、ワンフレーズもしくは少なめの箇条書きにしておきます。プレゼンの冒頭で「今日はこれだけ覚えておいてください」とこれを紹介し、最後には「まとめ」として再掲すると、印象が強くなると思います。

プレゼンを聴く人達は、どんな人達なのか?人数は?

出席者は、プレゼンのテーマについて初めて触れる人たちなのか、ある程度知識がある人向けの上級編なのか。男女比、年齢構成、職業などなど、できる限り情報を入手しておきます。それにより、選択する用語や前提条件の説明の有無などが変わる可能性が、非常に高いと思われます。

会場の広さ、明るさ(照明など)は?

会場の広さや明るさによって、作成するスライドが少し変わる可能性があると思います。

とても広い会場でプロジェクタと最後列の席がとても離れているようであれば、小さな文字では絶対に読めません。理想は、テストのスライドを現地に持参しいちばん後ろの席から見てみることだと思いますが、無理な場合が多いと思いますので、できるだけその状況を再現してみる感じがよろしいかと。

また会場の明るさ/暗さにより、黒い背景に白い文字がいいのか、白い背景に黒い文字がいいのか、違いがあることも考えられます。私が尊敬するプレゼンの達人長谷川恭久さんは、両方のバージョンを作成して会場に合った方を使うという伝説を耳にしたことがあります。

スライド作成に使うマシンやソフトのチェックについて

他人のマシンを使ってプレゼンをすることでキーボードの違いに戸惑ったり、いつもと違うソフトを使って操作が分からなかったり、慣れていないことによって本番で頭が真っ白になることもあります。できる限り本番で使用するマシンで、慣れているソフトでプレゼンするのがよさそうです。プレゼンソフトはPowerpointやKeynoteに限らず、見せるものの内容によっては、ブラウザ、Fireworks、Illustratorなどなど、色々考えられますよ。

また、Macユーザーの方は、必ず必ず「VGAへ変換するための専用アダプタ」を準備すること! これを忘れたために、最悪取りに帰ったり、他人のマシンでプレゼンをするはめに陥ったり、色々トラブルがありえます(涙)。

発声や身振り手振りの練習について

大抵の場合、自分が思った以上にゆっくり喋ったほうが、聞き手にとっては効きやすいことが多いと思います。立て板に水のように喋る必要はないと思いますし、多少の間を作って会場を見回したりするのもいいと思いますが、頭が真っ白になって完全無音状態があまり長くなるのは避けたいですね。私は、よく「語尾を伸ばして、自信なさ気に見えるしおかしい」と言われるので、なるべく語尾をスパッと切るように努力しています。

動作ですが、一番気をつけたいのは、プロジェクタを振り返って見てしまうこと。お客様から顔を背ける形になってしまうので、良くないそうです。喋る内容は、必ず手元のPC(とかメモとか色々)で見ること。でも、それをずっと見続けないこと。できる限り聴衆に視線を向けたいところです。

笑いを入れるかどうか問題

私の周囲の方々は、聴衆の硬さを和らげるために、どんなネタを仕込んで笑いを取るかということに全力を注いでいる方も多いのですが。私は笑いのセンスがないので、滑って悲しい空気になるよりも、無理にネタを入れない方向にしています。サンプルで使う写真にかわいい動物とか子供さんとかを選択して、チラッと触れるテクニックを使う方もいらっしゃいますね。

スライドの作り込みについて

スライドを作る際に注意したいのは、以下のような感じです。

  • 読みやすい文字のサイズにする。
  • 読みやすい配色にする。(上記でも触れました)
  • 話すこと全てをスライドに入れなくていい。要点だけ。
  • スライドが全部で何枚あって、いま何枚目にいるのか、見る人に分からせる。(端っこにページ番号を入れるなど)
  • 開始時に、今日の話の要点を掲載。
  • 終了時に、今日の話の要点を再掲。
  • 図版も積極的に使う。みんな文字はあまり読まない。
  • Twitterのハッシュタグや、その時話していることの見出しなどを、スライドの隅っこに掲載しておくと親切。

でも、このセオリーにのっとっていなくても、良いプレゼンは沢山あるのですけどね。いままで見た中での衝撃のプレゼンは、Windowsのメモ帳の文字サイズを最大にして、要点を記入しながら喋っていくプレゼンでしたが、ものすごく分かりやすく印象的でした。しかも、話が終わると最後に配布資料が完成しているというわけです(凄)。

ライブコーディングやデモについて

会場の回線状況やマシントラブルや、その他いろいろ予期しない出来事によって、ライブコーディングやデモは上手く行かないことも大いにありえます。万全を期すためには、その部分は録画にしておいたほうがいいかもしれません。自分も手が空いている分、余裕を持って解説をすることができますし。

資料の配布について

スライドを全部印刷したハンズアウトを会場に配ると親切なのですが、聴衆がそればっかり見てしまって良くない場合もあります。最近はたいてい、終了直後にデータをネット上で公開(もしくは、メールで配布など)が多いように思います。

以前にも似た記事を書きましたが......。

ということで、色々気をつけたい点を書いてきましたが、2年半前に私が60分のプレゼンをした時の練習方法を記事にしているので、リンクをはっておきますね。

MT4LP5リハーサル覚え書き|東京Webデザイナー日記リターンズ

私が尊敬するプレゼンの達人たち

プレゼン上手になるためには、うまい人のプレゼンを見て衝撃を受けるのもよいかと思います。私が尊敬するプレゼンの達人を何人か挙げさせていただくと、こんな感じです。

長谷川恭久さん
上記でも触れましたが、作りこまれたスライドのクオリティの高さ、練習を重ねたお話の聴きやすさでは定評があり、非常に非常に有名な方です。

水無月ばけら/太田 良典さん
Webサイトのセキュリティに関して造詣が深く、以前は小説を書いてらしたという文才+知性と、独特なユーモアあふれる話芸で、聴く人の心をつかんで話しません。

矢倉眞隆さん
HTMLとCSS関連の造詣の深さ、落ち着きのある話しぶり、センスのあるスライド、端正なルックス等々、どれをとっても最高のクオリティの方で、ため息をつかされること間違いありません。

高津戸壮さん
この方もHTML、CSS、JavaScriptにとても造詣が深く個性的なスライドを作るのに加え、「あ、見てみてみて、ほらー、面白いでしょ!」など独特の話の運び方が可愛らしく、知識も得られて癒し効果もあるという、素晴らしい話芸の持ち主です。