「電子書籍勉強会」参加メモ。
火曜/金曜担当の@cremaです。
本日は、@seltzerことH2Oスペースのたにぐちまことさんが開催した「電子書籍勉強会」に参加してきました。場所は、目黒のスタジオゴブリン。
今日のスピーカーは、教育デザイナーで電子書籍にも造詣の深い@commonstyleこと境祐司先生でした。
以下、内容がかなり難しかったので、咀嚼せず(できず)箇条書きでメモを公開しておきます。この分野に興味のある方でしたら、少し分かる単語があるかもしれません。間違いや事実誤認がありましたら、ぜひご指摘ください。色々とすみません......。
昔の電子書籍といまの電子書籍の違いは?
- 昔、リブリエ(ソニー)の端末があった
- データはレンタル形式で60日間の期間限定(日本は権利に関して神経質)
- 2000年の頃のシャープの電子書籍リーダー→書店でダウンロードする形式だった
- kindle2に注目→年配(ガジェット好きではない)の人が買っている→文字が大きいので読みやすい
- →昔の電子書籍といまの電子書籍では、違いはあまり無いのでは?
- 電子書籍の市場は500億円(?)、8割は携帯、特にボーイズラブものが多い。
- 日本で様子を伺っているうちに海外のものが入ってきている
- 日本の出版社も色々勉強会的な催しをしている
- 世界の流れがあるので日本も保守的にはなれない
電子書籍の規格
規格戦争はどうなるの? フォーマットはひとつではない。
- .book(ボイジャー)http://www.voyager.co.jp/→境先生が本を書くならこの形式が良い?
- シャープのXMDF形式(ザウルス文庫で使われていた)
- ePub(大きいところが採用していることが多いので、メジャーになりつつある)
- →文字主体の欧文のものに適している
- →ePubの中でも色々な派閥争い(?)がある
- テキスト形式
- HTML形式
- (中身は全部マークアップ言語。それぞれ違うDRMをかけて互換性がなくなっている)
- Kindleは.mobi形式? AZW? トパーズ?
- Adobe DRM?
- DRM→【Digital Rights Management】
- Appleだけが形式が違う。
日本語の縦書き問題
- 日本は縦書きができないと厳しい(中国は、縦書きは諦めたりしている)
- リーダーアプリケーション側で縦書きにしたりできる
- 「縦書きで明朝」という要請は多方面からある
- 日本で蓄積してきたフォーマットがあるので、規格の統一をどうするかが混沌としている。
- 雑誌は広告モデルなのでKindleで出すのは論外。iPadでないと。
Kindleのお話
- 日本でのKindleの位置づけはどうなっていくだろうか?
- 電子ペーパーを使った読書専用端末は、安くなって普及型になるのでは?
- Amazonは、おそらく端末では儲けようとしていない。
- 広告、ソーシャルメディア、ゲームなどを含んだコンテンツは、iPad上で発展していく?
- 小学校などの教育系は、KindleよりもiPadが使われるだろう。
電子書籍リーダーはどの会社が覇者となるのか、逆に共存していくのか?
- ダイヤモンド社は、DReader(スカイブック/青空文庫形式を元にしている)ePubではないらしい。(ライセンスが高い)
- オライリー
- スタンザ
- iBookStoreに置く場合は、ePub形式。
- ブラウザメーカーが電子書籍リーダーの世界に来るのでは?
- T-timesには秀英体が入っているので、明治大正などの作品でも対応できる。
電子書籍の系統
- 非リフロー系(ラスタライズ系)
- リフロー系(リフロー系は普通のWebサイトなのでは?)→段組などは、webkit系のCSS3で実現。
- Wired Magazineは、ラスタライズ系。InDesginで縦位置横位置を作っている?
- ファッション誌などはラスタライズ系、読み物メインのものはリフロー系。
DTP業界とWeb業界
- DTPの会社とWeb制作会社が協業すべき。お互いに早くパートナーを見つけると良いでしょう、とのこと。
- WebデザイナーとDTPデザイナーの協業or競合。共倒れになったりしないか?
- 出版プロダクション系は、儲からないけど、仕事は次々来る。
- 電子出版系教育、セミナー、プロデュース系は儲かっている?
- DTPのオペレーターさんとか、今後どうするのか?
- 現状のDTP業界で、InDesignはもうデザイナーは使っておらず、オペレーターさんの領域になっている→Web業界のデザイナーとコーダーの関係と似ている?
電子書籍はどうなるの?
- 紙はなくならない(という意見が大半)
- 電子書籍はアクセス解析されている→個人の趣味趣向も解析されるかもしれない。
- オムニチュア的な解析を入れて電子出版できれば、広告主の反応もよいだろう。
- 広告ビジネスに使われるのでは? Webの続きは電子書籍とか?
- メールマガジンは電子書籍になるのでは?(特に有料コンテンツ)
- パブーはそれを狙っているだろう。(iPadで直接クリックしてもそのままでは読めない。スタンザが入っていると、読めるらしい。)
- 堺先生の有料メールマガジンは購読者が増えていく。手を抜くと解約する人が増える、その逆もまたしかり。
- 堺先生は、Dreamweaverで有料メールマガジンを作成し、iPadでも読むことができる。
- メトロミニッツは、電子版もある(バックナンバーは有料)
- JavaScriptが動いている電子書籍がある。(いよいよWebっぽい)写真などをポップアップできる。
- (特にアプリ版の)電子書籍は、OSのアップデートなどを考えないと、将来的に読めなくなることがありうる。
- ePub(HTML)やPDFは、比較的長期間読めるであろうという希望的観測。
- 個人でも低コストで電子出版ができるのか?>できる
- 編集者がいないリスク、エージェントを雇うとか?
- 有料であることにより、誠意を持った個別対応をすれば大丈夫?
- 編集者がアクセス解析の知識を持って、いかに演出するかなどのプロデュースをする可能性もあるかも?
InDesignとDreamweaver
- InDesignからラスタライズ系のマガジンを書き出せるものが夏に出る?
- ePubは、リフロー系。
- NewYorkTimesはリフロー系だけれども、レイアウト情報も持っている。
- ePub形式のバリデータがある。AppleのAppStoreに申請するとき、バリデーターに通っていないと申請できない。
- InDesignからePubに書き出せるけれども、エディタで直さなければならない。
- DreamweaverからePubに書き出せるといいのに。
- 堺先生はSafariの開発者モードでチェックしている。
- InDesignで構造化されていると、そのあとDreamweaverで作業しやすい。
- InCopyという構造化エディタがある。
感想
いやいやいや、ここまでこんなふうに箇条書きで読んでみても、あまり良く分からないですよね。申し訳ないです><
私、本日勉強会に参加するまで、電子書籍にこんなにたくさんのフォーマットが存在することを全く知りませんでした。様々な企業や団体の思惑が、かなり入り組んでいる様子......。現在まで家電業界などで繰り返されてきた「フォーマット」の闘争が、ここに大きな問題として立ちはだかっているようです。
そして、DTP業界の方がかなり必死でこの問題に取り組んで勉強なさっていること、その結果、Webデザイナーと職域が被る可能性もある(境目が曖昧になっていく)ことも、今日はじめてイメージできました。職域の奪い合いという感じになるよりは、お互いに得意なことを引き受けあい、助けあって業界が発展する方向になることを願わずにはいられません。
私たちがこの分野で何か貢献するために、まずは知識を蓄えることからですね。堺先生もしきりに「仕様書を読みなさい!」とおっしゃってましたし。仕様書がどこにあるかから、探すことにします!(お伺いするのを忘れました><)