linkerは「人と人」「人と情報」「人と物」をつなぐデザインユニットです。

【ひとりブレスト】色と形と動きで感情を伝えるSNSを妄想中

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火曜/金曜担当の@cremaです。今日は、最近頭の中で温めているアイディアを書き留めてみます。

ご存知の通り、世の中には、「人と人がつながるWebサービス」が沢山ありますよね。Twitterしかりmixiしかり。なんとなく、それらのサービス上で人と人が交換しているものには何があるのかな、と考えていました。

  • 言葉(文字情報)
  • 言葉(音声情報)
  • 写真やイラスト
  • 動画やアニメーション
  • 音楽
  • ゲーム
  • 顔を模した代替物(エモーティコンや顔文字)
  • 位置情報

他にもありそうですけど、とりあえずざっとこんな感じですかね?

これらのものを通して人は、知恵や情報や感情などを交換しあっています。この中の「感情」だけを取り出して、Webサービス上で他人と交換することを考えてみます。

言葉(文字または音声)で「感情」を伝えるのが、多分一番伝達効率が良さそう、というか、普通に人々が慣れている行為なのかな、と思うのです。なにかいいことがあって、すごくうきうきした気分で、鼻歌でも歌いたくなっていたら、「たのしい!」と書けば、ほぼダイレクトに感情が伝わるのかな、と。もしかしたらAさんの「たのしい!」の受け取り方とBさんの「たのしい!」の受け取り方は多少異なるかもしれませんが、でもかなり近いものになる確立が高そうかな、と考えています。

次に、言語が異なる人と人との感情交換だったら、エモーティコンがかなり有効なのかな、と考えました。日常的に使用するskypeやiPhoneに沢山のエモーティコンが用意されていますが、外国の方と英語でやりとりをしなければいけない時などにも、少しでも正確に気分が伝わるように使ってみたりします。(特定の感情に対応するエモーティコンが、異なる文化間でも同じ意味を持って伝わることを前提にしています)

と、ここまで考えてみたのですが、エモーティコンの交換では単純すぎるというか、嬉しかったら「スマイルマーク」悲しかったら「泣いている顔」というように、類型化してしまって、ちょっと面白くないのかなぁと考え始めました。人間には、言葉や「単純化された顔」だけでは伝えきれない、もっと複雑で陰影のある感情があったりするのではないかと。

そこで、そのような「複雑で陰影のある感情」を交換するために「色と形と動き」を使ってみてもいいのでは、というアイディアが出てきました。

その私の妄想内の「感情交換Webサービス」は、恐らくFlash的な(?)ものでできたインターフェイスを持っていて、ユーザーが「いまの気分」を表す「色」や「形」を選択できるようになっています。さらにそのオブジェクトが「ふわふわ漂っている」のか「ピチピチ跳ねている」のかなど、動きも簡単に指定できるようになっています。

ユーザーが「いまの気分を表す色と形と動き」を作成できたら、日付とユーザー名を付与して投稿します。その「感情交換Webサービス」内では、Twitterなどとおなじようにユーザー同士が「フォロー」しあっていて、自分をフォローしているユーザーに向けて、「いまの気分を表す色と形と動き」を発信する訳です。

それを受け取った側の画面では、時系列でみんなの「色と形と動き」が並んだり、ユーザー名リストの順番で並んだり、地図上にマッピングしたり(もし位置情報を付与するのであれば)と、色々な形で並べ替えることが可能になっています。

「色と形と動き」から他人の感情を類推する訳ですから、「言葉」や「エモーティコン」よりも伝達効率が悪い可能性があります。誤解も生じるかもしれません。Aさんは、「今日は美味しいワインを飲んで幸せ!」と思って深いワインレッドの不定形がゆらゆら漂うようなオブジェクトを作ったとしても、それを見たBさんが「血みたいな色がゆらゆらしているなんて......。もしかして貧血!?」とあらぬ方向に受け取ってしまうかもしれないですし。

さっきから「感情を正確に効率よく伝達する」とか「複雑で陰影のある感情を伝達する」とかを考えている割には、妄想内の「感情交換Webサービス」では結局誤解も生じかねない不確かな伝達になってしまうのかもしれません。面白さのポイントとしては、AさんとBさんの間で起こる「伝言ゲーム的な伝達のずれ」と「なんとなくの感情の雰囲気を共有する」というところかな、と考えています。

とてもとりとめのないアイディアでしたが、書かないと忘れてしまいそうなので、あえて言葉だけで書き綴ってみました。おつき合いいただきありがとうございます。