「アーティスト・ファイル2009 -現代の作家たち」展にいく
こんにちは、taku-workです。新しい自転車が欲しくなっています。スポーティーじゃないヤツを。
今回見てきたのは、国立新美術館で行われている「アーティスト・ファイル2009 -現代の作家たち」展です。
この展示は「国立新美術館の学芸スタッフが日頃のフィールドワークの中で注目する作家たちを取り上げ、それぞれを個展形式で紹介する展覧会」とのことです。年代も手法も違う作家が多くなかなか興味深い企画です。
2008年に始まったので今年で2回目の企画展です。
テイストの違う現代の作家をいろいろ見られるのは
「お、この人のやり方はおもしろい、あ、この人も」
と、気づき多くて楽しいですね。
そんな中からいくつか気になる作家をご紹介
まずは宮永愛子さん
作品はナフタリンを使った作品が多く、身近な生活用品がモチーフとなっています。
ナフタリンは常温で昇華するので作品は展示期間中に元の形がなくなります。
時とかモノとか存在とかそのへんの繊細な感覚を静かにつつかれる感じがします。
サイト http://www.aiko-m.com/
次は津上みゆきさん
現代絵画で抽象画の作家さんです。
鮮やかな色彩と大胆な画面構成なのに優しい印象をうけました。
色の使い方、参考になります。
サイト --
そして、斎藤芽生さん
絵画やインスタレーション作品です。
世界観の作り方がとても強いなという印象でした。
テイストはダーク、昭和、サブカルチャー、悪夢といったキーワードでしょうか。
ちょっと世界観が出来すぎていて怖さを感じました。
サイト http://www.artunlimited.co.jp/meo/
斎藤芽生さんのインスタレーションで展示されていたおみくじは図録が買えるところで売ってました。
結構怖かったので買いませんでした。
この展示は図録が結構良いのです
「アーティスト・ファイル」展は図録が良く出来ていて、参加作家それぞれ一冊の冊子としてまとめられています。
個展として扱っているという感覚があって良いなと思いました。
あとデザイン的にも見やすいです。
国立新美術館って実はユニーク
国立新美術館は自身では作品コレクションを持たない美術館なようで企画展が主体です。
他の大きな美術館で良くやっている美術館所蔵の常設展はありません。
そんななかこの「アーティスト・ファイル」展は毎年のレギュラー企画として力を入れているようです。
2008年の展示会のイントロダクションにこんな記述があります。
「アーティスト・ファイル」展は、毎年同時期に定期的に開催していく予定です。また、展覧会とともに、作家資料をアーカイヴとして蓄積することも視野に入れています。回数を重ねることによって、国立新美術館の「アーティスト・ファイル」展が、一つの時代の輪郭を徐々に明らかにし、見取り図を描き出していくことができるならば、われわれの目的は達成されることになるでしょう。
作品ではなく作家と作品資料をアーカイヴしていくというのは新しい試みなのかも知れませんね。
美術館が作品をコレクションしなかったら誰がするんだろうという疑問も多少残りますが。
それから、国立新美術館はアートライブラリーが充実しているようで国内海外の展覧会カタログを所蔵しているそうです。
国内展示のカタログは47,000冊を越える数だそうです。
作品ではなく展覧会の記録をコレクションしているのですね。
雰囲気とかどんなもんか気になりますし、今度見にいこうかな。