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目黒区美術館で開催中の「包む―日本の伝統パッケージ展」を見てきた。『つと(藁でできた入れ物)』必見です。

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こんにちは、taku-workです。
暖かくなってきたのかなと思いつつ、毛糸の靴下をなかなか脱げない今日この頃です。

ということで、今回は目黒区美術館で開催中の「包む―日本の伝統パッケージ展」のおはなし。
日本の伝統的なパッケージのすごさに驚きです。

包む―日本の伝統パッケージ展 | 目黒区美術館
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex110210-2

この展示では、日本の伝統的なパッケージを素材によって「木・竹・笹・藁・土・紙」のグループに分けて展示しています。
自然の素材を使って作られていた当時のパッケージは素材の特性が活かされ、また見た目にも美しいものが多くて驚きます。
それぞれの素材の使い方、パッケージとしての機能、グラフィック、などなど、興味深いアイテムが目白押しでした。

藁のブースには「つと」という聞き慣れないものがあります。
「つと」 は藁で作った容器のことらしく、包んだり、運んだり、吊るしたりと様々な用途に使われていました。

中でも「卵つと」や「寒餅つと」などは見た目のうつくしさの面でも秀逸です。
ものの形と容器の兼ね合いが絶妙ですね。実際に使ってみたらどんな感じになるのか気になります。

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藁のパッケージは餅や卵を運び終わって運搬という役目を終えたら、今度は燃料としてかまどにくべられたのかなぁ。現在のパッケージは商品を取り出したら後はゴミになるだけですから、そのあたりに大きな違いがあるなぁなんて思います。

各素材とも調達のしやすさや加工のしやすさ、機能と見た目のバランス、それから使い終わったパッケージのその先のことなど、もろもろのことがうまく調和しているところが美しいなと思います。

現在では素材が調達できなくなったり、耐久性や衛生面での問題で使用されなくなったパッケージも多いようです。もちろんコスト面などもあるのでしょうね。
展示されていた商品をネットで検索してみたところ、ビニール包装になっているものもありました。
時代的なことを考えるとビニール包装が悪いとは言い切れませんが、美しいかといわれるとやはりもう少し考えようがありそうな気がします。
当時のパッケージのよい部分を今の素材、環境、コストなどを考慮した上でなんとかするといったところがデザイナーのがんばりどころですね。

展示図録として同名の書籍が販売されています。

この図録には収録されていないアイテムも多数あるので、そちらは会場にて。
展示は2011年4月3日までです。

それから会場では短い紹介映像が流れています。こちらは昨今話題の3D映像となっています。
展示物とのテクノロジーのギャップが面白かったです。