linkerは「人と人」「人と情報」「人と物」をつなぐデザインユニットです。

仕事やスケジュールの入れ方あれこれ。

火曜/金曜担当の@cremaです。

いまlinkerは夏休み期間なのですが......。

夏休み 風邪に苦しむ 熟女かな (暮れ魔)

ということで、かれこれ3週間鼻をグズグズいわせている、かなり「プロ失格」な私です。皆さま健康管理にはくれぐれもお気をつけて。

話が変わり、今日は「予約やスケジュールの入れ方にはいろいろな方法があるよね」と思いついたおはなしです。

仕事の入れ方「哀川翔兄貴の場合」

私が参加している「東京ナイロンガールズ」というメディアで、紹介されていたひとことがこちら。

仕事は来た順。だってそれが誠意でしょ by 哀川 翔

仕事は来た順。だってそれが誠意でしょ(哀川 翔)|スカッシュ・ワード|東京ナイロンガールズ

ということで、確かにこれってシンプルで分かりやすいのですよね。依頼があった順に仕事をお引き受けし、後からどんなに良い仕事が重なって打診があったとしても、男らしく潔く断る。

なのですが、ちょっとリスクもあるのではないかと。たとえば、先に来た仕事のためにスケジュールを空けておきました→二番目以降に来た仕事をお断りしました→最初の仕事がキャンセルになりました→スケジュール真っ白。というような。

仕事の入れ方「1990年代のファッションカメラマン/モデルの場合」

そういう問題をできるだけ減らし、うまくスケジュールをコントロールしやすくする方法もあります。私が大昔に働いていた「ファッションカメラマン業界」では、「第1キープ」「第2キープ」という方式が採用されていました。解説してみましょう。

  1. 8月16日に撮影したいので、モデル事務所に電話をしてその旨を依頼する。
  2. 媒体は何、ギャラはいくら、カメラマンは誰、ヘアメイクは誰、スタイリストは誰、ロケかスタジオか、などなど、いろいろな情報を聞かれる。
  3. モデルのスケジュールが他の案件で仮押さえされている場合、「第2キープ」という権利をもらえる。これは、第1番目に押さえられている案件がキャンセルになった場合、2番目に優先権がありますよ、という意味。
  4. ただし、「第2キープ」という言葉は、もっと便利に活用される。スケジュールが空いているけれど、そこまでこの仕事が「おいしくない」と判断された場合、「第1キープ」は本当は無かったとしても、他の案件と秤にかけるために「第2キープ」にしておく。
  5. 同日にもっといい案件が来た場合はそちらにスケジュールを渡し、「第2キープ」にしておいた案件はお断りする。

この方法を採用していたのはごく一部かもしれませんし、いまも行われているのかどうかは私は分かりませんが、いまから15年前に見聞したことでございます。

うまくこの方法を駆使すれば、より安全に美味しい仕事を選んで引き受けることができるのですが、ずっと長く「第2キープ」にしておくと逆に「もういらない」と断られたりしてスケジュールに穴が空いたりするわけで。マネージャーのバランス感覚が重要になる方式ですね。

仕事の入れ方「ホテルなど、場所貸し業種の場合」

上記ふたつの例は、役者さんやモデルさんなど「その時その場にいる」ということが必須なお仕事ですが、逆にホテルなどの場所の予約を入れる場合は「キャンセル料」を活用して損失を防ぐ場合もありますよね。

一週間前のキャンセルは正規料金の50%、当日は100%、というような。この方式を採用する場合は、事前にお金をいただいておくか、クレジットカードの番号を教えてもらうことが必須かと思われますが、どうでしょう? キャンセルされてもお金のとりっぱぐれがあったのでは、仕事が成り立ちません。

仕事の入れ方「売れっ子職人さんの場合」

また、「その時その場にいる」ことが重要ではなく「物を手に入れる」のが重要な場合は、別の方法があります。例えばとても有名で素晴らしい靴職人に、どうしても靴を作ってもらいたい場合。

「半年先まで予約でいっぱいです」といわれたとしても、どうしてもその靴を手に入れたかったら、半年先に予約を入れてワクワクしながら待ちますよね。またその待つ時間が付加価値を上げる心理効果もありそうです。

この場合は、1日に少しづつしか作業を進められない職人さんの「未来の時間」を予約するというという形になるかと思います。

仕事の入れ方「フリーランスWebデザイナーの場合」

ここまで来て、自分の場合も考えてみたいと思います。フリーランスWebデザイナーの場合は、「その時その場にいる」ことは重要ではなく、「1日に少しづつしか作業を進められない」ということもあまり無いため、複数の案件を同時にお引き受けすることが多いかと思われます(少なくとも私の場合)。

あまりに同時進行が多いとうまく時間のやりくりがつかなくなって大変なことになるので、どういった内容の案件をどういうスケジュールで並行させるかが、バランス感覚の見せどころですね。あまりに案件が多い場合には、お手伝いしてくれる方を探すことも必要になりますし。

というわけで特に結論はないのですが、仕事の入れ方やスケジュールの組み方にも、色々な考え方があるなぁと思ったおはなしでした。

もしあなたがご存知な「こんなパターンもあるよ」というお話しがありましたら、コメントでお寄せくださいませ。