linkerは「人と人」「人と情報」「人と物」をつなぐデザインユニットです。

映画「THIS IS IT」を見てきました。

火曜日/金曜日担当の@cremaです。

(注意!!!今日の記事はネタバレを含みますので、この映画を未見の方はお読みにならないでください!)

私が所属するダンスチームの友人に「パフォーマーになるなら絶対に見ろ!」と強く勧められたので、幻となったマイケル・ジャクソンロンドン公演のリハーサルの記録映画「THIS IS IT」を見てきました。

映画を見た感想を綴るには色々な方法や方向性があると思うのですが、当linker journalで書くからには、できるだけ仕事に関係させたいものです。そこで、「プロフェッショナルがひとつのプロジェクトを成功させる為に何をしているのか?」という観点で、気付いたことを書いてみます。

私は詳しい音楽性等について語る知識に欠けていますので、そのあたりに関しては、私の周囲にいらっしゃる熱狂的マイケリストさん達のブログをお勧めしたいと思います。(1,2,3,4

「THIS IS IT」を見て感じた、プロフェッショナルの仕事のやり方。

この映画は、世界最高峰のアーティスト/エンターテイナーであったマイケルが、どのようにひとつの公演を生み出そうとしていたかを記録した貴重な映画です。これを見ながら深く感じた幾つかのポイントを、挙げてみます。

自分が関わる物事(周辺も)への深い知識を持つこと

マイケルは、ダンスとボーカルだけでなく、ギターやキーボードやベースなど各楽器に関する知識を持ち、それぞれの担当アーティストにコードや音色などについて的確に指示を出していました。特にキーボードの人とコードやテンポについて自分のイメージを伝える部分と、ギタリスト(死ぬほど可愛いブロンドの女の子)にギターソロについて伝えているシーンが印象的でした。また、スタッフの「彼は全ての曲のキーとテンポについて熟知している」という主旨のセリフがありました。

自分の専門分野はもちろんのこと、隣接する分野に関しても深い知識を持つべきだと、強く感じました。

一緒に働く人を選ぶこと

映画の中では、マイケルと一緒の舞台で踊ることを切望するダンサー達が何百人も、緊張し祈りながらオーディションを受けていました。その中から、美しくセクシーでダンスがうまいだけでなく「華のある人」が選抜されるそうです。

一緒に働く人も一流であってこそ、一流のパフォーマンスを発揮できるのですよね。当然ながら。自分が選ばれる側であるという意味でも、肝に銘じて精進したいと思います。

真剣にコミュニケートすること

ミュージシャンやダンサーやスタッフがマイケルと話し合いをするとき、じっと目を見つめながら、魂をぶつけあうように言葉を交わしているのが印象的でした。決して声を荒げたりせず、冷静かつ情熱的にコミュニケートしていたのです。そして映画の最後の方では、スタッフみんなで円陣を組み、公演の目標とするところなどを全員で共有していました。

自分も仕事をするとき、コミュニケートには気を使っていたつもりでしたが、ちょっと気持ちの入り方が足りなかったかもしれません。今日からもっともっと思いを込めて人と話したいと、反省しました。

愛と感謝を伝えること

これはとても大切なことだと思うのですが、マイケルは常に「I love you.」とか「God bless you.」という言葉を使っていました。バタバタした日常業務ではつい疎かにしてしまいがちなのですが、自分と一緒に働いてくれる人(クライアントさんや同業の方を含む)というのは、本当にありがたくて大切な存在ですよね。その人達がいなければ、自分の仕事というのは絶対に成り立たないのですもの。

日本語で「愛しています」とか「神の祝福を」という訳にはいきませんが(笑)、色々な形で「あなたに好意と感謝の念を持っています」ということは伝えられるはずなので、今後はもっともっと表現していこうと思います。

周到でリアルな準備をすること

公演のリハーサルをしていた場所は、多分本物の会場ではなく、スタジオ内(?)に全く同じセットを組んでやっていたのだと思われます(客席が無かったので)。そして、スタッフとイメージや手順を共有するため、本番と同じことを繰返し行っていました。

linker3人も、プレゼンなどの前にはシナリオを書いたりビデオ撮影してチェックしたり、比較的入念な準備を行っているのですが、今後もさらにブラッシュアップして続けていきたいと思いました。

身体(道具)の手入れを怠らないこと

ダンサーの練習シーンで「常に身体の状態を最高に保つようにしている。その為に、ピラティスやバレエや理学療法などを取り入れたりしている」というくだりがありました。

Webデザイナーに置き換えて考えれば、マーケティングや心理学や色彩学やデザインの流行やHTMLやCSSやJavaScriptやCMS関連やサーバやアクセス解析などの知識を常にブラッシュアップし、何かを作り続けていくことなのかもしれませんね。(もちろん趣味のダンスの方でも、身体の手入れと訓練は怠らないようにしようと心に誓った私です。)

プロジェクトのゴールを持つこと

マイケルは公演について、「観客の望む非日常の世界に連れて行くこと」「環境破壊をストップさせて愛の大切さを知らしめること」という明確なゴールを、スタッフみんなと共有していました。

このようにプロジェクトのゴールを言葉にしてスタッフで共有し、みんなでそこに向って気持ちをひとつにしていけるのは、非常に大切なことだと思います。途中で心が迷った時などにこのゴールを思い出し、どう行動するべきかの指針にできるからです。

以上、映画の感想としては少々悪趣味かもしれないのですが、私としては、あえてこのようにポイントを挙げてみました。この後、ご覧になった方の色々な感想を、ぜひ読んで回りたいと思っています。

今日のおまけ

それ以外の視点としては、私は趣味ながらダンスを真剣にやっているため、マイケルとバックダンサー達の動作や振り付けに見とれておりました。リハーサルであるため本気で踊っていない部分もあったりするのですが、それでも「どうやったらあんな風に身体が動かせるんだろう!?」と圧倒されることしきりでした。

ピラティスとヨガと筋トレをもっと真剣にやって、関節の可動域を広くし、身体の軸を整えて、マイケルのようにとはいかないまでも、もうちょっとスピードのあるターンを格好良くできるようになろうと心に誓ったところです。